日本株

インバウンド関連株のメモ

インバウンド関連株のメモ。

訪日外国人統計(2023/8/12)

■令和元年訪日外国人消費動向調査【トピックス分析】
・訪日外国人旅行者(観光・レジャー目的)の訪日回数と消費動向の関係について

■訪日外国人旅行者数の推移(~2021年)

■訪日外国人旅行者数・出国日本人数

■インバウンド 訪日外国人動向

爆需復活へ! インバウンドで噴き上げる「疾風怒濤の10銘柄」(2022年10月15日)

この日は日本国内で転機ともなる重要な政策が動き出した。それは、満を持して新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和されたことだ。これまで1日5万人とされていた入国者数の上限が撤廃され、68の国・地域からのビザなし渡航や個人の外国人旅行客の入国も認められることになった。それからわずか数日しか経っていないが、折からの円安加速と相まって、日本への観光需要が一気に盛り上がる格好となっている。

もちろん、中国ではゼロコロナ政策の下で出国制限が継続していることから、インバウンド特需といっても今はまだ助走段階にあるが、来年以降はコロナ前の成長戦略の要でもあった“観光立国日本”の喧騒が復活する可能性が強く意識されそうだ。岸田政権では円安効果を加味したうえで、コロナ禍以前の水準を上回る年間5兆円超のインバウンド消費額を目指す方針を掲げている。

更に三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]、高島屋 <8233> [東証P]、J.フロント リテイリング <3086> [東証P]といった百貨店やサンドラッグ <9989> [東証P]、ウエルシアホールディングス <3141> [東証P]、ツルハホールディングス <3391> [東証P]といったドラッグストア、帝国ホテル <9708> [東証S]、ロイヤルホテル <9713> [東証S]、ワシントンホテル <4691> [東証S]などのホテル運営会社も今後活況を呈する可能性が高まる。また、コト消費の代表格であるレジャー・アミューズメント関連ではラウンドワン <4680> [東証P]、セガサミーホールディングス <6460> [東証P]、JALCOホールディングス <6625> [東証S]、バンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]などがあり、テーマパークではオリエンタルランド <4661> [東証P]、サンリオ <8136> [東証P]、三精テクノロジーズ <6357> [東証S]などが挙げられる。訪日客に日本のスキー場が人気ということで、ひと捻りして日本スキー場開発 <6040> [東証G]なども立派なインバウンド関連である。

●この10銘柄のパフォーマンスは要注目

◎パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> [東証P]

総合ディスカウント店の象徴ともいえる「ドン・キホーテ」を展開する。M&A戦略にも長じ、ユニーや長崎屋などを傘下に置く。アジアや北米など海外出店も積極的で、業容拡大を意識した経営はトップラインの伸びに反映され、今後も成長路線が続く。足もとの業績も好調だ。株価は2000円台後半で売り物をこなし、早晩未踏の3000円大台乗せも視野。

◎コシダカホールディングス <2157> [東証P]

低価格を売り物とする「カラオケまねきねこ」を直営で全国展開する。新型コロナウイルスの影響が一巡しているほか、カラオケは外国人にも人気のコンテンツであるだけにインバウンドの追い風に期待。22年8月期営業損益は22億500万円の黒字(前の期は76億2800万円の赤字)と急回復を果たしたが、23年8月期は74億3000万円予想と伸びが加速する見通し。店舗数も増勢が続く。カラオケルームでのライブ視聴や動画レコーディングなど新機軸のサービスも打ち出している。株価は目先急騰の反動はあっても4ケタ台を地相場とする強調展開へ。

◎明治海運 <9115> [東証S]

タンカーやばら積み船の中長期貸船を手掛ける中堅海運会社だが、北海道から沖縄までホテルやレストランなどを幅広く展開していることが最大の特長で、訪日外国人の増加は同社の収益機会拡大に直結する。また、本業でも為替の円安効果が大きく、23年3月期は会社側が計画する営業利益44億円(前期比横ばい)予想は大きく上乗せされ、2ケタ増益に変わる可能性がある。PER、PBRともに割安感が強いほか、株価の急騰力にも定評がある。

◎コスモスイニシア <8844> [東証S]

首都圏を中心にマンション開発・販売を手掛ける。旧リクルートコスモスで現在は大和ハウス工業 <1925> [東証P]の傘下にある。訪日外国人を対象に長期滞在型アパートメントホテルなども展開、9月29日に日本橋のホテルをオープンし、12月には浅草のホテルも開業予定にある。前の期に落ち込んだ業績も前期を境にしっかりと立ち直り、22年3月期営業利益は前の期比41%増の33億5100万円で、続く23年3月期も増益基調が維持される見通し。時価予想PER8倍台、PBRも0.5倍台と水準訂正余地が際立つ。

◎三重交通グループホールディングス <3232> [東証P]

近鉄系で三重県に路線網を有するバスの大手で不動産開発も行う。名古屋・東京・大阪・京都への都市間高速バスのほか空港行きリムジンバスなども運行。不動産開発はオフィスビルや商業施設、都心型ホテルなど幅広く展開する。2016年の伊勢志摩サミットはまだ記憶に新しいが、伊勢神宮などは外国人にも人気のスポットで、インバウンド需要復活となれば同社への追い風は強い。業績は急回復途上にあり、営業利益は7.4倍化した22年3月期に続き、23年3月期も前期比6割増の48億円を見込む。株価は500円台復帰から新値街道突入が目前。

◎CSSホールディングス <2304> [東証S]

ホテルやレストランの食器洗浄及び衛生管理業務、レストラン運営受託と外食事業、BGMや映像・音響関連などの空間プロデュース、この3部門を手掛けるが、訪日外国人によるホテル需要や外食需要が高まることで同社の業績回復に向けた環境が整う。東証スタンダード市場の上場維持を念頭に24年9月期に売上高143億円(21年9月期実績94億1200万円)、最終利益2億円(同4億2000万円の赤字)、ROE8%以上を目標とする中期計画を遂行中だ。株価はここ急動意をみせているが信用買い残など枯れた状態で上値は軽い。

◎コメ兵ホールディングス <2780> [東証S]

名古屋を地盤に宝石、貴金属、時計、バッグなどの中古ブランド品を扱う。中古高級ブランド品に対するインバウンド需要は旺盛で、為替の円安進行も購買意欲を強力に後押しする。また、人工知能(AI)を活用した真贋判定ソフトの開発に成功したことで同社が重点を置く取扱量も増えており、収益成長に磨きがかかっている。22年3月期は営業利益が前の期比で6.3倍化し一気に過去最高を更新したが、23年3月期も17%増益の43億5000万円予想と連続ピーク利益更新へ。目先急騰で押し目狙いも中長期スタンスなら最高値4095円奪回が可能。

◎日本空港ビルデング <9706> [東証P]

羽田空港ターミナルビルの賃貸・管理のほか、物販や免税店なども手掛ける。新型コロナウイルスの影響で23年3月期の営業損益は166億円の赤字(前期は412億5500万円の赤字)見通しにあるが、株価面で赤字は織り込まれており、下期は水際対策緩和による恩恵が収益改善効果をもたらしそうだ。24年3月期の営業損益は4期ぶり黒字化が有力視される。信用買い残も枯れた状態で信用倍率は1倍前後と拮抗している。日本航空 <9201> [東証P]やANAホールディングス <9202> [東証P]との株価連動性が高い点もポイント。

◎タカチホ <8225> [東証S]

長野など東日本を営業基盤に土産品の卸売業で国内最大手に位置する。菓子製造のほか、商品の企画開発なども多角的に展開。インバウンド消費による土産関連の売り上げに押し上げ効果は大きく、商品値上げも購買意欲減退にはつながりにくい。23年3月期は営業黒字転換が濃厚、更に24年3月期は利益の伸びが一段と顕著に。東日本だけでなく西日本への営業エリア拡大にも意欲的で、26年3月期に営業利益3億5000万円(前期は2億1600万円の赤字)を目指す中期計画を策定。株価面では小型株特有の足の軽さが光る。

◎京都ホテル <9723> [東証S]

今年で創業134年となる国内ホテル業界の老舗で、筆頭株主はホテルオークラ。「ホテルオークラ京都」と「からすま京都ホテル」の2つを経営する。一部メディアで京都は世界の人気観光都市ランキング首位に選ばれるなど外国人観光客にとっても注目の的であり、水際規制緩和によるインバウンド需要の復活は強力なフォローの風。23年3月期は営業赤字が継続する公算が大きいものの、前期と比べ損失幅は大きく縮小しそうだ。今月11日からスタートした「全国旅行支援」も物色人気を後押しし、調整を交えながら株価は900円台も視野。

 

訪日中国人情報(2023/8/12)

データでわかる訪日中国人観光客

訪日外国人の消費支出の目玉は、化粧品である。

訪日中国人の「化粧品・香水」の購入率は81.4%であり、全体の46.1%に比べダントツに高い。

特に、訪日中国人の主力である20代、30代の若い女性が、日本では高級化粧品を買いまくっている。

クレ・ド・ポー ボーテの6万円のクリーム、POLA(ポーラ)「B.A」シリーズの1万円前後のサプリメントや8万円のセット、あるいはアルビオンの2万円のファンデーション……。今の20代、30代の日本人女性には、なかなか手が届かない商品が若い訪日中国人女性のポーチの中や自宅の化粧台に普通にある。

人気のお土産ものランキング:訪日中国人は何をお土産に買っていく?

費目購入率購入者単価
1位化粧品・香水81.9%52,142円
2位菓子類76.6%9,639円
3位医薬品50.8%21,760円
4位衣類38.5%28,512円
5位その他食料品・飲料・たばこ37.1%10,440円
6位靴・かばん・革製品25%49,810円
7位健康グッズ・トイレタリー22.2%20,203円
8位電気製品(デジタルカメラ/PC/家電等)14.7%33,110円

(参照)観光庁 訪日外国人消費動向調査 2019年より

買い物場所ランキング:訪日中国人はどこで買い物をしている?

買い物場所購入率
1位ドラッグストア88.7%
2位コンビニエンスストア82.1%
3位空港の免税店79.7%

(参照)観光庁 訪日外国人消費動向調査 2019年より

中国人が「日本で買いたい物」に変化 コロナ前1位の「化粧品」を上回ったのは?

コロナ前と比較すると、購入したい商品では「アパレル(衣類)」が「化粧品」を上回りトップを獲得するなど変化が表れていることが読み取れた。

2019年の訪日旅行消費の約4割にあたる1兆7700億円が中国人旅行客の消費額で、日本の訪日旅行消費には中国市場が重要な役割を占めている。

中国人観光客が旅行したい国No1は日本!旅行で購入したいものは?(2023年調査)

日本に行く目的の第1位は、買い物
購買の意向がある商品のカテゴリー第1位は、化粧品・香水
化粧品・香水カテゴリーにおける購買意向ブランド第1位は、資生堂

化粧品・香水カテゴリーを選択した方の54.1%が、資生堂と回答した。次いで、コーセー(39%)、花王(37.2%)となっている。欧米の有名ブランドよりも、日本ブランドを選択しています。

【シン爆買い】「私がオススメするとみんな買う」中国人の爆買いを主導する『KOL=キーオピニオンリーダー』関西トップという34歳・高興さんは「1日1000万円超」を売る!(2023/01/13)

中国で最も売れているのはナットウキナーゼ配合の健康食品。

「納豆を食べる習慣が日本人の健康面を支えていると中国人は信じていて、納豆そのものは食べられないのですが、サプリメントを食べている人が結構多いです。(去年の11月11日)『独身の日』に1日で2万個(約1億830万円)売れました」

中国人はドンキで何を「爆買い」しているのか
訪日客の意外なおみやげ選び(2015/11/16)

外国人観光客にとっての買い物天国が、大型ディスカウントストアのドン・キホーテです。

首都圏在住の読者の方は新宿歌舞伎町の入口にある「新宿東口本店」や渋谷の道玄坂にある「渋谷店」などを思い浮かべる人も多いかと思いますが、このインバウンド需要については、実は関西圏が非常に伸長しています。

ドン・キホーテ全店における免税売上高構成比の上位店舗を見てみると、1位は今年6月オープンしたばかりの大阪の「道頓堀御堂筋店」がランクイン。2位はこの店舗から300メートル足らずの「道頓堀店」、3位は沖縄の「国際通り店」、4位に「銀座本店」、5位が「新宿東口本店」となっています。

インバウンドを語るうえではずせないのが医薬品類です。

昨年秋ごろから中国のSNSや口コミで広がった「神薬12」というキーワード。これは「日本に旅行へ行ったら買うべき12の医薬品」を指しており、目薬や冷却シート、ビタミン剤から湿布までその種類はさまざまです。ドン・キホーテ全店売上高に占めるインバウンド比率が4%であるのに対して、「神薬12」のインバウンド比率は46.3%にもなります。

またこの神薬ではなくても、日本製の医薬品類は品質の高さから、外国人観光客に人気があります。たとえば「オロナインH軟膏」は「娥羅納英H軟膏」という名前で、香港でも販売されていますが、中国人観光客にとって、日本で販売されている「オロナインH軟膏」は商品名や説明文が中国語ではなく日本語で表記されていることから、特にプレミア感を感じ、おみやげ需要につながっているようです。

医薬品類に続き、化粧品も爆買いされやすい商品です。

やはり日本のメーカー品が人気で、特に酵素の入った洗顔パウダーは、現地に比べて安価であることからカゴいっぱいに購入するお客もいるそう。美容ローラーやナノケア対応のドライヤーなど、美容小物家電も人気。小さな子どものいる家庭では、日本製の紙オムツやミルクなどもよく出ています。

ドン・キホーテがこれだけ多くの外国人観光客から支持されるのには、れっきとした理由があります。同社では2008年から他社に先がけ、訪日外国人観光客向けへのサービスを強化してきました。免税専用の「ウェルカムカウンター」をはじめ、4カ国語対応のコールセンター「ウェルカムデスク」や、訪日観光客向けの専任スタッフ「ウェルカムクルー」を一部店舗に採用。また、国内初となる外貨7通貨(中国人民元、台湾ドル、韓国ウォン、タイバーツ、香港ドル、米国ドル、ユーロ)のレジ精算サービスを全店で導入しています。

12の神薬(しんやく)とは?中国人と台湾人に人気・その理由・成功企業の3つの戦略(2021年03月18日)

ドラッグストアで購入可能な、日本の一般医薬品が訪日中国人や訪日台湾人から大きな人気を集めています。

こうした人気の医薬品は中国語で「神薬」と呼ばれ、訪日中国人や訪日台湾人購入し、現地でも転売されているといいます。

特に「小林製薬」の売上はこうした需要に大きく支えられている。

神薬とは、訪日中国人や訪日台湾人が”必ず購入していく”という日本の医薬品のことです。中国の大手ポータルサイト捜狐(Sohu)上の記事で、「日本に行ったら買わねばならない12の医薬品」として「サロンパス」や「熱さまシート」といった12個の日本製の医薬品が紹介され、「神薬12」として注目を集めました。これらは高品質低価格の医薬品として中国市場で人気の商品となっています。

018年の訪日外国人旅行消費額の合計は4兆5,064億円で、消費額が高いのは上から中国、台湾、韓国の順でした。群を抜いて最も高かったのが訪日中国人で、旅行消費額は1兆5,370億円に上ります。

買い物をする場所については「コンビニエンスストア」「空港の免税店」「ドラッグストア」の順に多くなっており、「医薬品・健康グッズ・トイレタリー」を購入する訪日中国人は、滞在中に消費税免税の手続きをする人も多くなっています。

訪日中国人・台湾人に人気の神薬12選
1. サンテボーティエ(参天製薬)
2. 熱さまシート(小林製薬)
3. アンメルツヨコヨコ(小林製薬)
4. サロンパス(久光製薬)
5. ハイチオールC(エスエス製薬)
6. サカムケア(小林製薬)
7. ニノキュア(小林製薬)
8. ビューラックA(皇漢堂製薬)
9. 口内炎パッチ大正A(大正製薬)
10. 命の母A(小林製薬)
11. 龍角散(龍角散)
12. イブクイック(エスエス製薬)

「神薬」で最多の5製品、小林製薬のインバウンド戦略
1. 小さな市場規模を狙うことで確実な利益をあげる
2. わかりやすいイラスト付きパッケージ

龍角散は大気汚染が進む中国人観光客の健康面に訴求
のどを「守る」で中国人観光客アピール

訪日外国人はいまや製薬業界の重要顧客

神薬の12製品のうち、5つは小林製薬の製品です。小林製薬は神薬に選ばれて以降、売上げを伸ばしています。2016年度の1,200億円から、2017年度には1,567億円へと、1年間で実に367億円も成長したのです。

小林製薬は日用品や医薬品など、多数のブランドを展開していますが、ニッチな市場に絞り、熾烈な価格競争とは一線を画すマーケティングを行ってきました。

例えば、熱冷ましの冷却シートは市場規模は47億円と、医薬品マーケットの中ではそこまで高額ではありません。しかし、小林製薬の「熱さまシート」だけで、市場の半分以上となる53%のシェアを占めています。

小林製薬は、この戦略を「小さな池の大きな魚」と表現しており、小規模の市場を狙うことが、確実な利益につながると考えています。

こうして開発された商品が中国人消費者にも支持され、特に神薬12選に5つもの製品がリストインしていることで、平成26年度の売り上げは約8億円伸びたと分析しています。

小林製薬の製品はパッケージにわかりやすいイラストを採用しています。

これにより、日本語が読めなくてもイラストでどんな製品か一目でわかるようになっています。例えば「熱さまシート」の包装には寝ている人の額に冷却シートを乗せたイラストが描かれており、一目で製品の用途がわかります。

龍角散もまた、中国人消費者の需要にマッチし、購買意欲を高めることに成功しています。特徴は、訪日中国人に響くような宣伝方法を用いたことです。

なぜドン・キホーテには“中国で認知度ゼロ”でも訪日客が集まるのか(2015年11月30)

「ドン・キホーテ」は「弱み」を「強み」に変え、インバウンド界の「勝ち組」となった。

中国人旅行客の爆買いの光景の代表格といえば、家電量販店「Laox」や、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が思い浮かぶが、「Laoxはターゲットが団体客、ドンキは個人客で対照的」と前出の村山氏はいう。

団体客が対象の店はツアースケジュールに来店を組み込んでもらうかわりに、旅行会社やガイドに手数料やキックバックを支払う。ドン・キホーテには、それが難しい事情があった。

「ドン・キホーテは無駄をそぎ落とし、1円でも安く提供するディスカウントストアです。キックバックの原資などない。ビジネスモデルが違うのです」

中国の旅行会社における同店の認知度はゼロだったという。現地の旅行博覧会に出展すると、配ったパンフレットはゴミ箱に捨てられ、「悔しい思い」をした。

ドン・キホーテが個人客向けに本格的なインバウンド戦略を開始したのは10年3月のことだ。東京・新宿のホテルから、「訪日客が夕食後の夜の時間帯も楽しめるようにしたい」と要請を受け、域内2店舗とホテル群を結ぶ多言語マップを作成した。

「“点”から“点と線”の情報発信へ。最初の進化です。配布地域も順次拡大していきました」すると今度は、札幌でマップを見た訪日客から、地域のグルメや観光情報もほしいとの声が上がった。この要望を受けて生まれたのが、ドン・キホーテの店舗周辺の飲食店の場所とその店の特典情報を掲載した「ようこそ!マップ」だ。10年秋に札幌、新宿、大阪からスタート。制作は地元広告代理店に委託し、経費は協賛広告でまかなう方式をとった。

「“点と線”から“面”への進化です。訪日客は街を楽しみたい。インバウンド対応は、売り手の都合以上に、旅人目線に立たなければならないことに気づきました。すると、業績も目に見えて上がりました」

欲しい情報なら、捨てられることはない。「ようこそ!マップ」は中国での旅行博でも、配らなくても来場客が手に取っていくようになり、2年前の雪辱を果たすとともに、ドン・キホーテの知名度を押し上げていった。

株価

化粧品

■資生堂

(2023/08/12現在)
2015年まで2000円前後。2018年に最高値7900円。現在6000円台。

■コーセー

(2023/08/12現在)
2015年まで5000円未満。2018年に最高値2万5000円。現在1万2000円台。

製薬

■小林製薬

(2023/08/12現在)
2012年まで2000円未満。その後は右肩上がり。2020年3月のコロナショックで下がらず2021年1月最高値12000円台。その後は右肩下がりで現在7800円台。

ナットウキナーゼ

■AFC-HDアムスライフサイエンス

(2023/08/12現在)
2005年頃の上場後1000円から3000円に高騰しすぐに600円に下落。2021年まで500円から1000円の間で推移し2021年に1400台に高騰するがすぐに700円に戻り現在は850円。

小売

■パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(ドン・キホーテ)

(2023/08/12現在)
2012年まで500円未満。その後は右肩上がり。2020年3月のコロナショックではなく2021年9月に下がるが、その後上がり、現在が最高値2900円台。

■サンドラッグ

(2023/08/12現在)
2013年まで2000円未満。2018年に最高値5000円台。その後は上がり下がりを繰り返し、現在が4200円台。

■ウエルシアホールディングス

(2023/08/12現在)
2015年まで1000円未満。2020年のコロナショック後に最高値4000円台後半。その後は下がり、現在が2700円台。

ホテル・レストラン

■明治海運

(2023/08/12現在)
2021年まで(2008年を除く)1500円未満。2020年のコロナショックでも変わらず、2022年に一瞬1500円となり、現在が700円台。

■コメ兵ホールディングス

(2023/08/12現在)
2020年まで500~4000円。2020年のコロナショックでも変わらず、2021年以降上がり、現在ほぼ5000円。

交通機関

■日本空港ビルデング

(2023/08/12現在)
2014年まで1500前後。2015年に最高値8000円。4000円に急落後、上がり続け、現在6000円台後半。

■京成電鉄

(2023/08/12現在)
2020年まで右肩上がりで4000円超え。コロナショックで3000円になり、徐々に上昇し4000円近く。2023年春から急騰し現在5000円台後半。

 

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