都市部を走る電車内は、ディスプレイに映像や文字を表示する広告「デジタルサイネージ」が一般的になりつつある。これは満員電車で物理的に拘束されやすい、乗客の時間に目をつけた宣伝シーンだ。

オランダに本社を構えるMr.Friendly(ミスターフレンドリー)は、人が生活をするなかで、さらに有効的に情報を発信できる場面に注目した。それは、私たちが日々拘束されるトイレだ

同社は、短い動画やメッセージを表示できる広告ディスプレイを備えた、まったく新しい男性用小便器を開発

用を足している間は他にすることはなく、その場から離れることもできない。結果、小便器に搭載されている広告ディスプレイに自然と集中してしまうというわけだ。

 

ディスプレイに流す広告は、いつ、どこで、何の広告が流れたのかを把握できる。広告主は、広告を流す時間や地域を選択することが可能なので、メインターゲットへの正確なリーチが期待できるのだ。

Mr.Friendlyいわく、「40秒間は小便器使用者の注目を集められると保証する」とのこと。具体的には、10秒ほどのショートムービーを数回に分けて流し続けるという。

広告が流れるのは、人が小便器の前に立っている間だけ。無駄に広告費がかさむ心配も無用である。

 

搭載ディスプレイの使い道は、単に広告を流すだけではない。会社で利用すれば、従業員に向けて社内行事の日程や報告を流すなど、コミュニケーションツールとしての役割を担うこともできる

また、この小便器は無水洗式なので、大幅な節水に貢献。特殊な技術により排水溝の密閉や抗菌加工が施してあるなど、環境面・衛生面からみても優れていると言える。

現在、小便器の設置はMr.Friendlyの会社があるオランダとアメリカの2カ国に複数設置されているが、まだ値段は公表されていない。

今後、日本への進出も期待されるMr.Friendlyのスマート小便器。私たちの未来の生活から、また一つ、“無駄な時間”が消えそうだ。